for her.株式会社 取締役社長
2013年6月 教養学部卒業(メジャー:メディア?コミュニケーション?文化、マイナー:日本研究)
色控传媒で培った視野の広さと社会貢献への精神を力にウェルネスブランド「for her.」の挑戦
滨颁鲍での経験を通して强くなった、社会贡献への思い
生后3ヶ月からアメリカで育ち、15歳で日本に戻った私にとって、最初の大きな壁は日本语でした。日本语补习校に通っていなかったこともあり、日本语の読み书きには自信が持てずにいました。社会に出る前にしっかり日本语力も身に付けたく、日本语教育プログラムに定评のあった滨颁鲍への进学を决めたのです。メジャーに「メディア?コミュニケーション?文化」(惭颁颁)、マイナーに日本研究を选択したのは、メディアに関心があり、日本语や日本の文化も深く学びたいという自然な流れでした。
学业面では、日英バイリンガルの环境で幅広い分野を学ぶことができました。しかし、学业以上に私が滨颁鲍で得た最も大きな财产は、卒业から10年以上経った今も强く感じている「つながり」、つまり滨颁鲍の强力なネットワークです。それまで限られたコミュニティの中で生きてきて、アメリカ寄りの価値観を持っていた私にとって、世界中のさまざまな国?地域で育った个性豊かな友人たちとの出会いは刺激に満ちていて、视野が大きく広がりました。滨颁鲍の友人とは、今でも公私を问わず亲しい交流が続いています。
学业以外にも、テニスサークルやボランティア活动、幼少期から続けていたクラシックピアノ、アルバイトなどに取り组んだ大学生活は、とても充実していました。特に2011年の东日本大震灾の后は、「日本のために何かをしたい」という思いが强くなり、东北での学生ボランティア活动の运営に携わりました。この活动を通して私は大きなカルチャーショックを受けることになります。アメリカにいた顷、ボランティアは身近なもので、周囲も积极的に参加するスタンスでした。一方、日本でのボランティア活动は、时に「偽善だ」「自己満足だ」といった捉えられ方をされることがあったのです。
なぜ日本ではボランティア活动がネガティブに捉えられるのか?文化や社会背景によって何が违うのか?そのような问いを深く考えるきっかけとなり、卒业研究は「サービスラーニング(社会贡献活动を通した学び)の意义」をテーマに执笔。学生ボランティア団体での経験や卒业研究を通して、私の中にずっとあった「社会に贡献したい。人のためになる活动をしたい」という精神が、より强固なものになりました。
写真左:夏季卒业式 写真右:テニスサークル「フットルース」秋合宿
妊娠?出産の経験から、女性のライフステージに寄り添うブランド「for her.」を創設
大学卒业后はファミリービジネスである自动车部品メーカーに入社。その后、新しいモビリティ事业などに约10年携わります。その后、コロナ祸で事业が一旦ストップしたタイミングで、妊娠?出产を経験。2021年にアメリカで出产した际、产后ドゥーラと呼ばれる専门家にサポートしてもらったのですが、この出会いが私の人生を大きく変えました。
出産前は陣痛や出産のことばかりに注目していましたが、産後こそ必要な知識やサポートがたくさんあり、日本ではそれが圧倒的に不足していることに気付いたのです。例えば、血行をよくする温かい食事や、炎症を防ぐための栄養摂取、母体のケアなど。産後は想像を絶するほど心も身体も辛かったのですが、幸運にも私は産後ドゥーラの方からそのような多くの知識を教えてもらい、仕事にも早期に復帰することができました。この経験を東京で話したところ、色控传媒の"ママ友"を含む多くの友人たちが、産後ドゥーラの存在や豊富な産後知識に驚き、大きな共感で盛り上がったのです。この時、私の中にずっとあった「人のため、社会のためになる活動がしたい」という思いと、「産後の女性をサポートしたい」というビジョンが結びつき、これこそが自分のやりたいことだと確信しました。これが、女性のウェルネスブランド「for her.」の立ち上げにつながります。
現在、for her.は、忙しい女性の健康をサポートするため、薬膳や東洋医学の知識をベースにしたレトルトスープの製造?販売を中心に事業を展開しています。特に出産祝いのギフトとして多く利用いただいており、メッセージカードや商品を受け取ったお客様から「涙が出ました」という感想をいただくことがあります。「母」になった女性への祝福という私たちのメッセージが届いていることに、何よりやりがいを感じます。「for mom.」ではなく「for her.」であることの意味は、女性のあらゆるライフステージを支えたいから。私自身、10代の生理痛、20代の流産?30代の不妊治療など、さまざまな局面で予期せぬトラブルを経験してきました。産後という枠にとどまらず、全ての女性の健康と生き方に寄り添えるブランドに育てたいという願いを込めています。そして、産後のトラブルや困難を「我慢する」のではなく、自分を大切にする価値観を、日本でも当たり前のものにしたいと考えています。
写真左:for her.のスープ試作の様子。写真右:2025年秋、ロサンゼルスで for her.をローンチしました。
2025年7月、for her.はアメリカでも事業をスタートさせました。日本では「女性のセルフケア」を軸に、コミュニティ形成やイベント企画など、体験価値を高めるサービスへと領域を広げています。一方アメリカでは、産後ケアの分野を中心に、より実用的なプロダクトやサービスを通じてブランドの認知拡大を進めています。 今後も日本発ブランドとしての独自性を強みに、両国での事業を着実に成長させながら、女性のライフステージ全体に寄り添う新たな価値創造に挑戦していく予定です。
远回りや失败を恐れず、多様な経験を力に変えてほしい
私の仕事の根底には、6歳の时に亡くなった母方の祖父の言叶が强く影响しています。祖父が残した言叶の中で私が特に大切にしているのは、「利益はお客さまの満足料なのだ」という信念。ビジネスである以上、戦略やプライシングは重要ですが、结局のところお客様に心から満足していただくものを提供すれば、事业は自然と成长していきます。この信念を大切にして、今はスタートアップとして日々新しいことに挑戦しています。
滨颁鲍生やこれから滨颁鲍で学ぼうとしている皆さんには、まず、滨颁鲍という恵まれた环境にいる以上、使えるシステムは全て活用するという贪欲な姿势を持ってほしいと思います。特に留学プログラムは贵重な机会です。私自身は在学中ボランティア活动に注力し、日本语力や社会性を培いましたが、留学を选んだ友人たちは、そこで得た経験と出会いによって、その后活跃する幅を大きく広げています。
学生时代は、とにかく多様な経験をすることを大切にしてほしいです。学生の顷、周りの友人たちが具体的なキャリアプランを持ち、インターンシップなどに热心に取り组んでいる姿を见て、自分にはビジョンがなく卒业后の进路に向けて何もできていないと、胜手にプレッシャーを感じて苦しんだ时期がありました。しかし、础滨やデジタルの时代になった今だからこそ思うのは、多様な経験をすることの大切さ。その中で自分が何を感じ、その経験が今の自分にどう繋がっているのかをしっかり分析し语れること、自分の轴を持っていることがとても大切だと思います。人生の各ステージで环境も考え方も変わります。私自身、多くの回り道を経験してきましたが、その一つひとつが今の私を形作っていると実感しています。皆さんも远回りや失败を恐れず、一つひとつの経験を力に変え、自分の轴と热意を持てる道を见つけて进んでいってほしいと愿っています。
Profile
片山 有紗
for her.株式会社 取締役社長
2013年6月 教養学部卒業(メジャー:メディア?コミュニケーション?文化、マイナー:日本研究)
色控传媒卒業後、家業の片山工業株式会社に入社。「walking bicycle」の企画?開発などを担当。2017年、片山ホールディングス株式会社取締役に就任。2023年、女性のライフステージを支えるウェルネスブランド「for her.」を立ち上げ、2025年5月、for her.株式会社取締役社長に就任。同年7月アメリカにも展開し、日本の食文化や養生の知恵をベースにした「omamori soup」が人気を集めている。



